Hyottoko JAPANさんによる匿名ヌード展示「女体縁日」のイントロダクションを担当しました

あす4月16日(月)より、新宿歌舞伎町のBAR DOQUDOQUにて開催される展示「女体縁日」のイントロダクションを担当しました。

こちらはHyottoko JAPAN(@hyottoko_japan)さんという「ひょっとこのお面をつけた女性たちの匿名ヌード」を撮り続けていらっしゃる方の写真展です。

ヌードモデルは毎回ネット上で募集、「自分の顔がまったく出ないならヌードを撮られたい」という女性だけが集まっています。カメラマンのひょっとこさんも、このような企画をされていることは友人知人はおろか、家族にも秘密にしているそう。撮る側も撮られる側も、完全匿名の企画です。

Hyottoko JAPAN展「女体縁日」展示序文


女の裸体が、ただの体としてあることが許される場所が、一体どれくらいあるだろう。

Hyottoko JAPANは、ひょっとこの面を被った女性のヌードを撮影するプロジェクトだ。インターネットを経由して希望者を募り、カメラマンとモデルの一対一で撮影に臨む。

ひょっとこ、そしてヌード。ともすれば倒錯した、猥雑な雰囲気が漂いそうなものなのに、写真で見る彼女たちの裸体は奇妙に乾いていて、欲情を誘う隙を与えない。彼女たちには名前がない。完璧な匿名性を保ったまま、「ただの裸体」としてカメラの前に立つ。そこでは人格も、趣味嗜好も、社会的な立場も、何ひとつ明らかにはならない。

彼女たちには顔もない。人間の顔には表情が滲む。体液も滲む。女の裸体が裸体として必要とされるとき、私たちはただの「裸の女」ではいさせてもらえない。体と一緒に、心まで要求されているような気がする。涙、涎、頰の下を流れる血の色。恥じらい、苦悶、悲しみ、悦び、欲情。それらすべてを使って異性を悦ばせることが、どうしようもなく求められているような。

だけど面を被った彼女たちからは、何の情動も感じられない。他人を扇情するための恥じらいも欲情もここにはなく、ただ一つの裸体であることだけが許されている。

名前や人格、個性や感情。いつも露わにしていた場所だけが隠されて、隠していた場所だけが露わになる。

他人のために作り上げた「自分」ではない、自分だけが知っている「自分」になる。彼女たちは他の何物も要求されることなく、ただ一つの裸体としてここにいる。

私たちは彼女たちについて、何も伺い知ることができない。乾いた空間に切り離された彼女たちの姿に、深々と息をつくほかないのだ。(文・餅井アンナ)

今回の展示は、猥談バーや猥談メルマガなど精力的に活動されている、エロデューサーの佐伯ポインティ(@boogie_go)さんがプロデュースをしたもので、Hyottoko JAPANの活動やその目指すところが来場者に伝わるイントロダクションを書いてほしいという依頼を受けました。

展示会場では、レーザープリントの作品や、L判プリント3枚+匿名でヌードを撮影されてみたい方への「撮影券」セットに「女体縁日」シールなどの販売、Hyottoko JAPANさんの過去作品の展示なども実施しています。

会期中はエロデューサー・佐伯さんによる「猥談バー」も開催されるそうです。初回は展示初日の16日の19時〜24時です。

明るく乾いたヌードを楽しみに、ぜひ遊びにいらしてください。

「女体縁日」詳細

【会場】BAR DOQUDOQU

【住所】東京都新宿区 歌舞伎町2丁目39−2 三幸ビルB館 4F

【会期】4月16日(月)〜5月14日(月)

【開店時間】平日PM19:00~AM6:00、土日24時間営業

※入場は無料ですが、ワンドリンク制になっております。



餅井アンナのお仕事記録

ライター・餅井アンナの仕事記録です。おもに食と性、生きづらさについての文章を書いています。「wezzy」にて食のエロスを考えるコラム「妄想食堂」、タバブックスのwebサイトにて「へんしん不要」など連載中。食と性のミニコミ『食に淫する』制作。お仕事のご相談などはshokuniinsuru@gmail.comまで。

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