11/16 飯塚めりさんと「喫茶『逃避術』ナイト Vol.2」を開催します +『東京喫茶録』の感想など

11/16(金)の夜、高円寺文禄堂にて飯塚めり@milippe さんの『東京喫茶録』出版記念イベント「喫茶『逃避術』ナイト Vol.2」が開催されます! 前回に引き続き、餅井も聞き手として登壇させていただきます。

■飯塚めり著『東京喫茶録』について

『東京喫茶録』はこの秋カンゼンさまより刊行、前作『東京喫茶帖』に続き、飯塚さんの素敵なイラスト+テキストで綴られた「喫茶店めぐり」のご本です。

飯塚さんの喫茶イラストは、いつもお店に滞在されている短い時間で描かれたもの。写真のように正確ではないし、お店の詳細な情報を網羅しているわけでもないかもしれませんが、そうしたある種の少なさや偏りが、独特の魅力を生み出しているなぁと思います。

そのとき描き手が感じたお店の雰囲気・ちょっとニッチかもしれないけれどグッとくるポイント……といったところにキリッとピントが合っていて、しかも読み手が想像を膨らませるだけの余白を持っている。

添えられたテキストにも「喫茶店のビジネストークは至高のBGM」「ウエストは年上の女性に連れて行ってもらうお店」など、「わかる〜〜!!」と机に突っ伏したくなるような至言が満載で、マニア心がくすぐられます……。

行ったことのあるお店のコメントを見つけてはニヤニヤし、まだ行ったことのないお店は訪れる日を待つのが楽しみになる。とても豊かな楽しみ方ができる一冊だと思います。


■「喫茶店は裏切らない」

全編を通して飯塚さんの人柄や喫茶観が伝わってくるのですが、本の最後、あとがきとして書かれた文章にその魅力が濃厚に表れています。ご本人のお許しをいただいて下に抜粋させていただきました。


「喫茶店は裏切らない」
どんなに気持ちの浮き沈みがあっても、身のまわりの人たちと行き違ってしまっても、まわりの環境が変わっても、喫茶店はいつもそこにいて、同じ顔をして待っていてくれる。
喫茶店というのは、その人にとって一軒のお気に入りがあれば十分と思っています。その一軒は、まちがいなく日々の助けになってくれるもので、うきうきした気分のときはもちろん、つらいときに訪れても寄り添ってくれるし、なんでもないときに足を運んでも、日々の心の余裕をたくわえてくれるものです。(『東京喫茶録』おわりに より)


読んでみるとなんとなく「この文章を書いた人は、現実を生きるのがものすごく上手、というわけではないのかもしれない」という印象を受けるのではないでしょうか。

飯塚さんはこの『東京喫茶〜』シリーズとは別に『カフェイン・ガール』というカフェめぐり漫画も出版されていますが、この作品の主人公・メルちゃんは、襲い来る現実からひととき「逃避」する手段として喫茶を愛する女の子。決して器用に生きられるわけではない、嫌なことも苦しいこともあるし、胸の奥には不安だって抱えている。それでもキツキツな現実とどうにか付き合っていこうとする人たちに寄り添ってくれる、そんな存在として飯塚さんは「喫茶店」というものを描かれているような気がします。


■「喫茶『逃避術』ナイト Vol.2」ご予約受付中です

16日の「喫茶『逃避術』ナイト Vol.2」では、そうした日常の息苦しさからちょっとだけ抜け出せるような「喫茶」の楽しみ方をご紹介していただきます。

さらに今回のイベントでは「お悩み相談企画」をご用意! 「こんな悩みを抱えている」「こういうときに使えるお店を教えてほしい」という声から、飯塚さんがピッタリの喫茶店をチョイスしてくれます。こちら、事前にフォームで募集をしておりますので、ぜひご回答ください。イベント当日は来られない……という方のご相談も大歓迎です!

回答はこちらからどうぞ→ ★喫茶「逃避術」ナイト アンケートフォーム


イベントは11月16日(金)の19時半スタート、文禄堂高円寺店のイベントスペースで開催いたします。終了後はサイン会もアリ、ご本は当日お店でお買い上げもいただけますし、購入済みのものをお持ちいただいても結構です。

ご予約は上記Peatixサイトよりどうぞ! 文禄堂高円寺店での店頭・電話予約(03-5373-3371)も受付中です。ご来場おまちしております〜!

【日時】11月16日(金)19:30スタート ※受付開始19:00

【会場】文禄堂高円寺店イベントスペース

【参加費】1000円+ワンドリンク

【登壇者】飯塚めり:イラストレーター/喫茶店観察家。カフェインで酔える喫茶マニア。おばけ好き。早稲田大学第一文学部卒。コラムニスト事務所、出版社勤務を経る。著書に『東京喫茶帖』(カンゼン)、『カフェイン・ガール』(実業之日本社)。

季刊誌『珈琲時間』(大誠社)にて「喫茶の効用」連載中。ほか『東京ディズニーリゾート便利帖』シリーズ(新潮社)、『ホリイのずんずん調査 かつて誰も調べなかった100の謎』(文藝春秋)、『KADOKAWAの年賀状』シリーズ(KADOKAWA)など、様々な媒体でイラストを担当。2013年より、喫茶店めぐりミニコミ『別冊カフェモンスター』を制作中。

(聞き手)餅井アンナ:ライター。食と性、生きづらさについての文章を中心に執筆しています。webメディア「wezzy」にて「妄想食堂」、「マガジンtb」(タバブックス)にて「へんしん不要」を連載中。食と性のミニコミ『食に淫する』制作。

餅井アンナのお仕事記録

ライター・餅井アンナの仕事記録です。おもに食と性、生きづらさについての文章を書いています。「wezzy」にて食のエロスを考えるコラム「妄想食堂」、タバブックスのwebサイトにて「へんしん不要」など連載中。食と性のミニコミ『食に淫する』制作。お仕事のご相談などはshokuniinsuru@gmail.comまで。

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